研究ノート10|解釈をほどく、という関わり方
変えなくていい。壊さなくていい。ただ、ほどいていく。
目次
はじめに|「変えなければいけない」わけではなかった
前回の研究ノートでは、解釈がどのように固定されていくのかを見てきました。
では、その固定された解釈は、どうすれば変えられるのでしょうか。
実は、共感翻訳では「変える」という言葉をあまり使いません。
解釈は、壊すものではない
固定された解釈は、その人が必死に状況を理解しようとした結果です。
それを否定したり、間違いだと指摘したりすると、人はかえって守りに入ってしまいます。
解釈は、守るために固まった
だから、力ずくで変える必要はありません。
「ほどく」という視点
共感翻訳が大切にしているのは、解釈をほどくという関わり方です。
ほどくとは、
- ・間違いを正すことではない
- ・別の答えを押し付けることでもない
- ・納得させることでもない
その人自身が、「あ、こう考える余地もあったかもしれない」と感じられる空間をつくることです。
例|親の立場で起きる「ほどき」の瞬間
たとえば、「私の関わり方が悪いんだ」という解釈をずっと抱えてきた親御さんがいたとします。
ここで共感翻訳がするのは、「それは違いますよ」と言うことではありません。
「そう考えるようになったのは、どんな場面が続いていたからでしょうか」
この問いによって、解釈は少しだけ、緩みます。
問いが戻ると、選択肢が増える
解釈がほどけると、消えていた問いが、もう一度戻ってきます。
- ・本当にそれだけが理由だったのか
- ・他の見方はなかったか
- ・今の状況ではどうだろうか
問いが戻ると、人は再び考えられるようになります。
共感翻訳が残したいもの
共感翻訳が最終的に残したいのは、正しい答えではありません。
自分で考え直せる感覚
それがあれば、状況が変わっても、また問い直すことができます。
おわりに|研究ノートとしての区切り
研究ノート1から10までで、共感翻訳が扱っている核心部分は、ひと通り描ききりました。
ここまで読んでくださった方がいたなら、それだけで十分に意味があります。
答えを渡すのではなく、問いが戻る場所をつくる
これが、共感翻訳という考え方の、今の到達点です。
© Kotone共感翻訳研究所

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